カレーの作りおきは食中毒の危険性!ウェルシュ菌は加熱しても死滅しない
2015/11/26
久しぶりにカレーでも作ってみるかと考えていたら、カレーの作りおきに関する気になることを発見しました。
それはウェルシュ菌という菌の存在です。テレビの番組などで話題になったようです。この菌の存在については私は知りませんでした。
何が問題になるかといいますと、カレーの作りおきなどでは、この菌が繁殖して食中毒をおこす危険性があるとのことです。
飲食店などではカレーの作りおきはしないように保健所からの指導もあるそうですよ。実際カレーで食中毒が起こっている事例もあるそうです。
私も以前はカレーの作りおきをして食べてた事もあったので、これってホントなの?と思ってしまったわけです。
加熱したら腐る事はないんじゃないの?と思ったのですが、ウェルシュ菌は加熱しても死滅しないらしいんですよ。
ウェルシュ菌による食中毒の症状はO-157などに比べると毒性の強さは大きくはないようです。
しかし体内でエンテロトキシンという毒素を出し、発熱・腹痛・嘔吐・下痢の症状がでるようですから、やはり少し気になりますね。
カレーの作りおきは危険なのか少し考えてみようと思います。
ウェルシュ菌は加熱しても死滅しない
ウェルシュ菌が加熱しても死滅しない理由はなんでしょう。普通にグツグツと煮立ててやれば菌は死滅してしまうんじゃなかと思うのですが、ウェルシュ菌の場合そうではないようです。
さすがに沸騰した高温になるとウェルシュ菌も活動ができなくなるようですが、高温では自身を堅い殻で覆い「芽胞(がほう」と呼ばれる状態になるんだそうです。
この状態になりウェルシュ菌はお鍋の中で生存する事ができます。沸騰した温度程度なら耐えてしまうのだそうです。
そして温度が下がるとウェルシュ菌はまた活動できるようになります。活動に最適な温度は50℃~20℃となるようです。
他の菌はどんどん死滅している状態なのでウェルシュ菌だけがお鍋の中に残ってしまいます。そうなるとウェルシュ菌がますます繁殖しやすい状況になっているのです。
そして放置してしばらくしたらウェルシュ菌にとって繁殖しやすい温度になるので、数時間で何倍、何十倍の数にウェルシュ菌が繁殖することになります。
カレーだけでなく他の鍋料理などでもウェルシュ菌は繁殖するのですが、特にカレーにはウェルシュ菌が繁殖しやすい状況があります。
それはウェルシュ菌が酸素を嫌うからです。このような菌のグループを「嫌気性」と呼ぶそうですよ。
カレーはドロドロしてますからね。中の方まで大気が触れにくい状況ではあるんです。カレー鍋の中央から底にかけてウェルシュ菌が繁殖しやすい状況であるようです。
ウェルシュ菌が繁殖していても見た目には分からないし、臭いでも分からないようではあるんです。一見して腐ってもなさそうなカレーにウェルシュ菌が繁殖してる事もありえそうです。
ウェルシュ菌はどこから入ってくる?
ではウェルシュ菌が入らない状況にしてカレーを作ればいいんじゃない?と思ったら大間違いではあるようです。
ウェルシュ菌は珍しいものでもないので、野菜、肉、魚介類などはウェルシュ菌が付着している状態で流通しているようです。
ですので作る前からウェルシュ菌がいる状態ではあるのです。我々はウェルシュ菌と共存している状態になるのかもしれません。
野菜などは調理する前にしっかり洗っておくとウェルシュ菌を除去できるようですよ。原材料をしっかり洗浄する事はウェルシュ菌による食中毒のリスクを低くする事には繋がるようです。
ウェルシュ菌の食中毒を防ぐ方法
カレーの作りおきなんて普通にやってた私なのですが、そんなウェルシュ菌の事を聞くと、さすがに作りおきはやめた方がいいのか~と思いました。
しかしウェルシュ菌の繁殖を抑える方法はあるようです。それはウェルシュ菌の発育温度帯が50℃~20℃である事と、「嫌気性」である事で対策ができます。
まず温め続けて温度を60℃以上に保つことです。この温度だとウェルシュ菌「芽胞(がほう」という状態なので増殖しにくい状態です。
しかしずっと温め続け長時間保存するのは無理という方も多いことでしょう。私もたぶん無理です。
ならば20℃以下温度のウェルシュ菌が繁殖しにくい温度まで急冷します。冷蔵庫に入れておけば可能ではあるかもしれません。
ウェルシュ菌が「嫌気性」である事を利用して、食品を小分けにするのも有効なようですが、カレーの作りおき場合は量が多いので難しそうですね。煮物などの場合は小分けにしておくと効果がありそうかなと思いました。
カレーの作りおきの場合は温度を20度以下に急冷して保存する事が手軽な方法かなと思いました。短時間放置するなら60℃以上に温め続けるのもいいかと思います。