日本の地デジが「日伯方式」としてブラジルや南米で採用された理由
何年か前に地デジへ完全に移行するという事で日本でも大掛かりな移行作業が行われた事は記憶にも新しいかと思います。
エコポイントがもらえるという事で地デジの液晶テレビに買い替えた人も多いかと思いますが、今となってはその分割引されてるような気もしないでもないです。
アナログ放送が終了し地デジへ移行したのは2011年の事ではあったようですね。記憶が曖昧だったのですが改めて調べてみるとそんな時期ではありました。
日本ではもうすっかり地デジが当たり前になりました。最近では見慣れた地デジ放送ではあるので綺麗さなどは意識もしなくなりましたが、ちょっと古いテレビと比べて見てみると、やはり画質の違いは大きいです。
そんな地上デジタル放送ではあるのですが、世界ではいろんな規格の地上デジタル放送があります。アメリカ方式、ヨーロッパ方式、日本方式が世界的に普及しています。そこに主に中国だけの展開がある中国方式という形のようです。
地デジ方式の世界分布を見てみると主に南米で日本方式が広まっています。正式には「日伯方式」という事になりますが、南米で日本方式の派生である「日伯方式」が広まった理由などを語ってみます。
ブラジルで初めて2006年に日本方式の採用が決定
テレビがアナログ放送からデジタル放送へと移行し始めたのはここ十年の間だとは思いますが、全世界でもそのような動きになっているかと思います。
ブラジルでも地デジへの移行が考えられ、地デジ方式を巡って日米欧の売り込みが盛んになっていったようです。
欧州関係者は企業の幹部などが国会でデモをやっていたらしいです。当初日本の関係者はサンパウロ在住の電子部品販売会社社長、三好康敦さんがたった1人で資料を手に説明していたようです。
ブラジル側は日本の技術力を評価していたようで、なぜ日本政府の担当者は来ないのかと言われたそうです。
この段階では日本政府も業界団体も普及に向けた予算をつけてなかったそうですよ。世界へのアンテナが低い日本の政府という印象を感じてしまいます。
結局、日本とブラジルが「日伯方式」として世界に売り込む事を条件にブラジルでの日本方式の採用が決定となりました。この辺で日本の総務省もようやく動いたのだとか。
ブラジルで日本方式の地上デジタル放送が採用された大きな理由
ではブラジルで日本方式の地上デジタル放送が採用された大きな理由はなんでしょう?ブラジル側は日本の技術力を評価していたようでした。
それは携帯で地デジが見れるという事なんです。日本方式だけが携帯で地デジも見れるのです。この点がブラジル関係者の心を惹きつけたのは間違いないでしょう。
ブラジルはサッカー大国ですが、携帯やスマホでサッカーの試合を見れる事は国民にとって大きなメリットがあります。
ブラジルでは2016年までに地デジへの移行が行われるようですが、現在では地デジの普及率も高くなっています。サッカーの試合をワンセグ機能を使って見ているブラジル人の姿も見られるようです。
南米ではドミノ式に「日伯方式」の地デジが普及
ブラジルで日本方式の地上デジタル放送が採用されてから、どんどん南米各国で「日伯方式」の地上デジタル放送が普及しています。
地デジの放送は上に書いている通リ主に日欧米の3式があるという世界状況です。wikiに地デジ方式の分布図が載ってありました。
欧州方式は主にヨーロッパを中心に広まりを見せており、アジアや東南アジアの多くの諸国、アフリカの多数の国で採用されています。
そんな中において南米では元が日本方式である「日伯方式」一色に染まっている状況です。南米で「日伯方式」が採用されていない国は2つくらいの状況です。
この状況は2009年にペルーが採用を決めるとドミノ式に南米諸国が採用を決定する事になりました。ウルグアイではいったん欧州方式に決定しながら、近隣諸国の状況で逆転したようです。
「日伯方式」の普及はブラジルの協力が大きい?
日本の地デジ方式が南米で普及しているはブラジルの協力が大きいのでしょうか?
関係者の話によるとブラジルの協力により各国で首相レベルと交渉ができたようです。やはりブラジルで採用され「日伯方式」として売り込んだ影響は大きいのでしょう。
日本の携帯がガラパゴス化していた状況を考えると、私的に日本は外交下手の印象もあります。地デジに関しても政府としての売り込みは当初腰の重い印象として報道されています。
技術力があるのに普及ができない外交が苦手、もしくは政府の動きが遅いと感じる日本ではあります。他国の協力得ることでこのような南米での成功の事例を実現できるいいヒントになったのかもしれません。